第6回 さいたま吃音フォーラム

【感想】

埼玉言友会では特定の学問的な視点・立場にこだわることなく、あらゆる視点・立場で吃音の問題に関する情報提供を吃音当事者、一般市民等におこなうのが使命であると私は感じています。

今まで国立障害者リハビリテーションセンター森浩一先生に脳研究の立場でご講演いただいたり、目白大学都筑澄夫先生にメンタルリハーサル法など心理からのアプローチのご講演をいただいたりしました。

今回の吃音フォーラムでは吃音ドットコム青山ヒロさんより独創性のある個性的な吃音アプローチのお話をいただき、ユニークで新しい視点を参加者のみなさまに提供できたと思います。

吃音の問題と言うのは単に音声としての言語の問題のみに限定されるものではなく、人間そのものという自らの存在をまるごと捉えるような視点が必要であると思います。

今回の青山ヒロさんの講演では、発達の問題から母親との関係性、また自己肯定感情を育てる話や、人生そのものをいかに生きるべきか、というお話までに至り、新たな視野を参加者も広げることができたことでしょう。

分科会も認知行動療法にまつわるものも行なわれ、臨床心理学的アプローチをはじめ、今後ますます、吃音の問題への多角的なアプローチを埼玉言友会では発信していくことが必要であると思いました。

そういう吃音フォーラムを今後も継続して開催していきたいと感じます。

國分

 図を沢山使われて吃音発症の様子や吃音のメカニズム等を説明されたのは、とても分かりやすかったです。吃音資質や吃音化エネルギー、非吃音化エネルギーによって幼児期に発吃するかしないかの説明は、納得がいきました。2才までの育児がとても大切なんだと改めて思いました。親は、親業についてもっと学習する必要があるようですね。

 「2才頃のトラウマや吃ったことによってからかわれたり笑われたりして生じたトラウマを少なくしていくには、生き生きわくわくする活動をやっていくことが必要だ」という話がありました。私たちが行っている言友会活動もその1つに当てはまるのではないかなと思います。自分達が生き生き出来るような会活動をやっていく、心の奥底に隠していた吃音への想いを各自が話していく、そんな中で知らず知らずいつの間にかトラウマが少しずつ小さくなっていくんだろうと思います。言友会の先輩達の様子を見れば、吃音問題が小さくなって生き生きと活動している人がたくさんいますからね。

 良い話を聞けて有意義な時間でした。時間を見つけてHero青山さんの資料を読んでみたいと思います。 

 加藤

吃音フォーラムで私は実行委員長としての挨拶と体験談発表をしました。最初はすごく緊張しましたが思っていたより上手く行ったので良かったです。事前に言うことを下書きして行ったのが良かったんだと思います。無事に終わって良かったです。 

岡田

 講師のヒロさんを知ったのは5・6年前でしょうか。当時若い時より人前での発言が多くなり仕事への行き詰まりを感じよくヒロさんの吃音ドットコムを見ていました。吃音マジックというのがあり治そうとすると吃音を強化してしまう内容がありました。今回の講演を聞き、いっそう生き方が重要だと思いました。

三澤

【内容】

323日に別所沼会館にて第6回吃音フォーラムを開催しました。参加者は30名ほどでした。13時から始まり、開会の挨拶、体験談発表(3)、青山ヒロさんを講師に「吃音の本質から見た吃音脱出原理」の講演をしました。その後、質疑応答をして10分間の休憩を取り、分科会をしました。分科会は「青山ヒロさんを囲んで」と「認知行動療法」の2つになりました。「吃音と仕事」は人数が少なかったので取りやめにしました。そして、閉会の挨拶をして後片付けをしました。17時に吃音フォーラムが終わりました。その後、居酒屋「中浦和駅前の一源」に行きました。11名程、参加して下さいました。青山ヒロさんも参加して下さいました。19時頃、いったんお開きにしました。 私を含め、6名残りました。22時近くまでいました。青山ヒロさんも最後まで残って下さいました。青山ヒロさんから色々聞けたので良かったです。吃音フォーラムが終了して、今回は私から見てですが素晴らしい吃音フォーラムになったと思います。無事に終われて良かったです。

実行委員長 岡田 敦弘

【分科会(認知行動療法)】

今回認知行動療法の分科会を担当するという経験ができましたが、自分自身緊張しやすい傾向にあるので、「自分の緊張が相手にも伝わったらいやだな」などと漠然と考えながら臨んでいました(このように考えるのは社交不安の人の特徴の一つであるとは頭では知りながらも、現実に緊張をなくすのはなかなかできません)。しかし、無事に終えることができほっとしたと同時に、もっと場数を踏んでうまくそのエッセンスなどを伝えられるようになりたいと感じました。また機会があればぜひこのような機会を通して、少し緊張しながらでも皆さんと関わる機会が持てれば、私自身の成長にもつながっていくと思います。

灰谷

【分科会(青山Heroさんを囲んで)】

Heroさんを囲んでの分科会は、イスを丸く並べて、誰もがフランクに話せるような雰囲気で始まりました。参加者は11名。20代から70代まで、様々な年代の方が集まりました。

初めは、Heroさんの講演後ということもあり、各自それぞれがHeroさんに質問をしながら、話は進んでいきました。ヒロさんへの質問には、「高校生のときから吃音が出始めたが、ストレスが原因なのか」、「発声練習で吃音が治ったという人がいるが、本当に治るのか」、「娘が発吃しないためにはどうすばいいか」、「どもっても気にしていない人で、吃音が治っていない人はどうしてなのか(ヒロさんの理論に対しての質問)」、「母親との関係をどうしたらいいか」、などがありました。ヒロさんは、どの質問にも、丁寧に、温かく答えていました。

また、話が進むにつれて、自殺をしてしまった北海道言友会の方のことや、各自の体験談などの話にもなりました。吃音で悩む人がいなくなるにはどうすればいいのだろうと、話は尽きませんでした。

渡辺