私が担当したのは認知行動療法ですが、これは西洋の科学に基づくもので、実際に多数の研究によってその効果が確認されています。ただ、もちろん「効果がある」と言っても、万人に等しく「効果がある」わけではなく、結局は自分自身で内容を咀嚼して、取り組んでいただく必要があります。
今回の例会で「自分はこういうことを伝えたかったのかな」と思ったのは、我々は習慣のエネルギーで半ば自動的に生きてしまい、「今、ここ」の自分を省みることすら忘れてしまっているということでした。東洋の仏教では、「無智」(正しい現実を知らないこと)こそが苦しみの原因であると説いています。吃音のことに限らず、習慣のエネルギーを断ち切るには、一度立ち止まって自分を振り返り、新しい行動をとっていく必要があります。お伝えした認知行動療法が何らかの形で自らを振り返るきっかけになり、よりよい習慣を作っていく助けになれば、担当者としてはうれしく思います。
最後に、このような機会を設けてくださった埼玉言友会の國分さん、日暮里例会の原田さん、参加してくださった皆様にお礼申しあげたいと思います。言友会活動が、自分自身を含めた参加されている皆様にとって、「正の強化」に基づく(いいことがあるからやっている)行動で維持されていきますように。
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