8月例会 「論理療法 実践編」

【報告】

 今回は論理療法実践編と言う事で前半は論理療法についての基本的な考え方、論理療法と吃音についての関連性、吃音者が陥りがちなイラショナルビリーフ、柔軟な考え方にする練習問題をしました。

 後半は参加者の方に実際に吃音についての悩みを言ってもらい実際に悩みを軽くしていく!と言うワークをしました。

(出来事)
電話をしたら吃ってしまい間違え電話だと思われた。

(結果)
傷ついた、腹が立った。

(考え方)
いくら吃っても電話を切るべきではない。
吃る人は相手にしてくれない。
電話でまともに話せないのはダメな人間だ。

(論ばく)
いくら吃っても電話を切らないで欲しい。
電話以外の方法を考える。
相手にしてくれない人も中にはいる。
電話でまともに話せなくてもそれで自分自身がダメになってしまう訳ではない。

(新しい結果)
引きずらないで次に繋げる。

 皆さん色々な柔軟な考え方をお持ちで久しぶりに白熱した議論になりました。

 論理療法は言い訳が上手になる心理学か?
と勘違いする人も中にはいますが、行動を起こす為の心理学です。
 自分の持ってるイラショナルビリーフ、思考パターンに気づき悩みが軽くなったらそこで新しい行動をする事が大切にだと思っています。
 頭で考えるだけではなく今回の様に紙に書いたり全員で色んな角度から話し合うのも大切です。

 自分自身、論理療法の例会を担当するのが今回で4回目でようやく実践編までたどり着きました。
5回目は応用編かな笑!
 内容や説明も少しづつですが、良くなってきてると思っています。
 これからも論理療法と共に成長し論理療法の楽しさを伝えていきたいと思います。(中山)

 

【感想】

 論理療法実践編ということで、これまでの理論を生かして実際にやってみようという趣旨でした。

 じつは私、論理療法の例会に参加するのは今回が初めてでした。しかし、担当者の方が手書きのとっても味のあるレジュメをつくってきてくださり、そこに今までやってきたことがよくまとまって書かれていたので、すぐに話についていくことができました。

 実践編ということで、参加者の一人の実体験をもとに、論理療法によって実際の行動や考え方がどう変化するのかというワークを体系的に行いました。

 「電話でホテルを予約しようとしたが、言葉が出なかったためイタズラ電話と間違われて切られてしまった」という内容でした。

 そのときに起こった感情は「受付が最後まで話を聞いてくれなくて腹が立った」「電話もまともにできない自分はダメな人間なんじゃないか」というものだったようですが、「運悪く話を聞かない受付に当たってしまった」「電話はできないけど、人より長じている面もあり、トータルでダメな人間ということではない」など、マイルドに言い換えることによって、他の店に電話しよう、もう一度同じホテルに電話して話を聞いてくれる方に代わってもらおう、など、前向きな行動につながることを体感しました。

 担当者の手際が非常によく、とても引き込まれる内容でした。さらに深く掘り下げて、より実践的なワークをやってみたいな、と感じました。ありがとうございました。           (Web担当 松村)


 論理療法はかなり昔に一度だけ説明を聞いた覚えがありますが、ほとんど記憶になかったので実質初めて習うようなものでした。
 自分の場合、吃音に限らず辛い出来事に遭うと、無自覚なまま視野偏狭のいじけた考え方になってしまい、袋小路を回るように悩みを引きずり続けてしまうのですが、傷ついた辛い出来事、それで生まれた考え方、その考え方がその後の生活に及ぼす影響、この3つを文面にまとめて一つ一つ洗い出してみるだけでも、悩んでいる自分そのものを冷静に客観視できるし、そこからどうやって自分が得をする合理的な考え方と行動を見つけるかという作業も、一人で悩むのではなく参加者皆で考えることで、素直に受け入れやすくなると感じます。

 辛い出来事そのものとそれで傷ついた感情はどうやっても消せるものではないですが、そこで止まると何一つ現状を変えられないまま非合理的な時間を過ごしてしまいます。

 こういうことがあって傷ついたんだ、じゃあこれからどうするの?
 この問いへの答えを出す、そしてその答えの先に進むため切欠
 論理療法は手段の一つなのだなと思いました。                     (田中)