【報告】
12月例会では、「吃音暦の語り合い」を行いました。
吃音暦の語り合いは、幼少の頃から現在までを振り返り、吃音に関する様々な出来事や思い出をみんなで語り合おうというものです。「発症はいつ?」「どんな思い出がある?」「どのように向き合っている?」などの項目が書かれたワークシートを使って、一人ずつ順番に話をしました。
大学のサークルで劇をやることになったが、台詞が言えず練習に行かなくなり、ついにサークルを辞めてしまった。言語聴覚士として病院に勤めているけれど、人前で話す機会が多くとても苦労している。などの話が出ました。
吃音にまつわることだということもあり、仕事を辞めた、精神的に参ってしまったなど、ネガティブな話や苦労話が多かったように思います。「吃音を周りにカミングアウトするにはどうしたらいいか?」といった悩みを話す方もいらっしゃいました。皆さん、様々なことに悩み、葛藤し、生活してこられたんだなと思いました。
時間配分がうまくできず、参加者によって話す時間にだいぶバラツキが出てしまいましたが、メンバーそれぞれの、これまで知らなかった深い話を聞くことができて、とてもよかったと思います。
例会の後は、近くの居酒屋で忘年会をしました。来年のワークショップの話やST交流会の話で盛り上がりました。
【感想】
今回のテーマは「吃音歴語り」との事でとても興味があり、下記の2点についてお話しが聴きたいと思い参加ました。
1.周りの人に吃音をカミングアウトした時の反応はどうだったのか?
2.参加者の方がこれまでどのような吃音経験をされてきたのか?
まず1について。
私自身、今の職場の人には吃音について全く話していません。私の場合、自己紹介や電話対応で吃る事が多いので不思議に思っている同僚はいると思います。そこで親しい上司や友人に打ち明けようか迷っていました。
皆さんの話から、大方の人からネガティヴな反応はなかった事や、言うタイミング等のアドバイス、そして逆に言い出せなかった事による友人関係の消滅など、貴重なお話を聴く事ができました。
皆さんの経験談を聴いて、後日職場の友人にカミングアウトできました!
そして2について。
私も学生時代や就活、職場で辛い思いをしてきました。
しかし、皆さんの話を聴き、当時の情景を思い浮かべるととても辛く、聴いているだけで涙が出そうなものがいくつもありました。
これまで他の吃音者の生の経験をあまり知らない私は、「私はこんなにも辛い思いをしている」との思いが強かったのですが、「私も辛いけど同じ様に辛い経験をしていても頑張ってる仲間がいるから頑張ろう」と思えるきっかけになりました。
吃音経験を話し、聴き、共有する。これだけでもとても気持ちが前向きになることがわかりました。ありがとうございました。
(芦川)
今日は「吃音歴の語り合い」と題し、どもりはじめた頃から今までの人生を振り返るという例会でした。
机をどけて輪になって語り合うという言友会伝統のスタイルで、簡単な自己紹介の後、一人あたり持ち時間10分程度でじっくり話しました。
やはりみなさん共通して話されたのは、「連発から難発への移行」「授業での朗読」「学校でのいじめやからかい」「就職面接での挫折」「職場、とくに電話対応の困難さ」などのトピックでした。この点もやはり吃音者にとって普遍かつ不変のテーマなのだと感じました。
また、吃音をカミングアウトするか否かという話題で盛り上がったので、つい最近、ツイッター上である吃音の方が考案した「吃音カード」という名刺サイズのグッズ(左上の写真のもの)を話題の端緒として提示しながら、カミングアウトとともに障害自体の啓発を行うというのも有効な一手ではないか、という話をさせていただきました。
それと語りあいの最中、「吃音ラジオ」および「吃音者の身体障がい者手帳取得訴訟」に関する毎日新聞の記事を皆で回し読みしました。ある参加者は、手帳取得訴訟の記事が出てから一週間、自分はどうするか、考え込んでしまったと話されていました。
終了後は恒例の忘年会を開催。尾頭付きの鯛のお造りや鯛しゃぶ、握り寿司など豪華な料理とアルコール飲み放題で、2時間と少し短かったものの、ひとしきり盛り上がり、互いの往く年の労苦をねぎらいつつ、来る年のさらなる飛躍を誓いました。
吃音歴の語り合い、例会後の飲み会。ともに言友会の原点です。このような語りの場が、少なくとも月に一度は東京近郊のどこかで行われたなら、吃音者の癒しのひとときになるだろうな…という想いを新たにしました。企画してくださったhiroさん、ありがとうございました。
(Web担当 松村)
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