2月例会「朗読ワークショップ」

【報告】

 参加者が若干少なかったのですが、「朗読ワークショップ」を実施しました。内容は以下の通りです。

 (1)目的
 朗読をするときに大切な「表現」について、参加者に実際に体験してもらう。
なお、言葉自体にとらわれないように、意味のないことばの羅列で表現することの体験をしてもらいました。

 (2)内容
     ①「ことば」のキャッチボール
       “おい!”や“はい!”等、ことばを1つのボールと考えて、二人でキャッチボールをする。
     ②「ことば」に感情を乗せてみる。
       例えば、“あえいうえおあお”等の無意味なことばの羅列によって、様々な感情表現をしてみる。
        ・悲しみ、怒り、喜び
     ③「ことば」に距離感を持たせてみる。
       すぐ目の前にいる人に呼び掛ける場合とかなり遠くにいる人に呼び掛ける場合を想定した呼びかけを行い発する「ことば」の違いを体験してもらう。(例)“おい!”と“お~い”
       さらに、時間的な距離感では、最近のことの表現と何年も前のことの表現との違いを同じ「ことば」で体験してもらう。(例)“ある日のことです”
     ④これまでの実演を踏まえ、みんなの前で、自分史を無意味な「ことば」でかたってみる。
       ・振り返ってみると、腹立たしいことがたくさんありました。(怒り)
       ・また、悲しいこともありました。(悲しみ)
       ・でも、楽しいことも、確かにありました。(喜び)
       ・自分のこれまでを振り返ると~~です。(総括・・各人自由に(例えば、“こんなもんさ”、
                               “まあまあかな!?”、等)

  (3)実施してみて、感想、意見などなど
    ・感情表現は恥ずかしくて、ハードルが高いので、いきなりやるのではなく、なんか助走があったほうがいい、
     例えば、もっとみんなを乗せて、情緒的にハイにさせるとか・・
    ・なかなか難しかったようですが、國分さんの自分史は特に「悲しみ」や「怒り」の表現はしっかり伝わってきたし、高校1年の彼(かみやまくん?)の自分史のかたりは、恥ずかしそうではあったけど、しっとりとした感情表現をしていたと感じました。
    ・人数が少なかったこともあって、早く終わりすぎて、冗漫になった。(これは、担当の川崎の準備不足ですすみません) 

・このワークショップは9月の“吃音ワークショップ2016in埼玉”で実施を予定しているので、担当の川崎としては、いろいろ宿題を頂いたと考えて、もといいものに変えていきたいと考えています。

  以上、よろしくお願いします。

(川崎)
 

【感想】

 まず初めに体の力を抜いて、リラックスした状態で歩き回りました。 その後、二人ペアになって離れた状態で一人が「おい!」など短い文章を言って、聞こえたら反応を示します。交互にやりました。 そして、言葉のキャッチボールをしました。 相手が言って来たら一回グローブで取るマネをして、相手に自分も言うのを繰り返しました。 言葉は「おい」や「はい」など何でも良いです。 次に「あいうえお」などの単語で「悲しい」「怒り」「嬉しい」などを表します。相手は感情が伝わったら反応をし、伝わらなかったら言ってあげます。これは意外と難しいです。 「昔、昔」を感情を込めて言いました。 言い方によっては、20年前なのか30年前なのかが違って来ます。長く伸ばすだけでも違って来ます。 一人ずつ、あ行の言葉を使って「怒り」「悲しみ」「嬉しい」を言ってから総括をします。 その時の状態で変わって来ます。 「悲しい」状態が強い人は「悲しい」が一番、感情が出て来ることが分かりました。 一人ずつ、感想を言って行きました。 私は、恥ずかしがりながらやったのでもっと恥ずかしいという気持ちを捨ててやれば良かったと思いました。

 芥川 龍之介の「蜘蛛の糸」を一人ずつ朗読しました。 ただ言うのではなく、感情を込めて言います。 「蜘蛛の糸」は段落ごとに感情が違って来ます。 「ゆったりした」感情や「激しい」感情、「楽しい」感情、「驚きや喜び」、「一生懸命」などいろんな感情があることが分かりました。 初めて読む人の場合は棒読みになりますが、繰り返しやって行くと感情が出て来ます。 普段の会話は言い換えなどで何とかなりますが、朗読は読む言葉が決まっているので吃音者は詰まりやすくなります。 吃音で中々、言葉が出ない時は繰り返し練習したり、文字を見るのではなく感情を出したり情景を思い描くといいというアドバイスがありました。 最後に一人ずつ感想を言って行きました。感情を出しながら読むのは難しかったけど、これから読む時はただ読むのではなく感情を出しながら読もうと思いました。

 1月に例会に来た方が2月の例会にも参加して下さったのでとても良かったです。これからも参加者が増えて欲しいです。 最後に担当して下さった川崎さん、ありがとうございました。


(岡田)