特別例会『吃音当事者研究会(1)』

【報告】(速報)

 本日は特別例会「吃音当事者研究会」を開催しました!二回にわけて、おこなううちの一回目でした!話し言葉と吃音症状との関連などを当事者目線で話し合いました!9月の吃音流暢性障害学会の発表に向けての当事者研究、さまざまな意見がでました。(会長)

【感想】

※今回は当日、実施したアンケート内の感想から匿名にて掲載します。

 

・吃音そのものについて、話し合える場に参加できてとても有意義だった。普段何気なく吃音について考えていたことを発言できてスッキリした。(30代男性・会員)

 

・「話し言葉」を広義の「音声で話される言語」として捉えて発言しました。

 会話とか対話とか、説得とか演説とか、話し言葉にはいろいろ段階がある、そしてそれを「意識」することにも段階があるということが分かった。議論が哲学的で、難しかったです。特に「内言語」についての議論が難解でした。(40代男性・会員)

 

・以前に勉強会で触れた平田オリザさんの「話し言葉の地図」について掘り下げました。

 話し言葉には、話し手の意識が高い順に「演説」「談話」「説得・対論」「教授・指導」「対話」「挨拶」「会話」「反応・叫び」「独り言」の9類型があるとのことでしたが、吃音者にとっては話し手の意識よりも、相手の意識のほうが重視される傾向にあり、そうなると順番は変わってくること(たとえば、「会話」「挨拶」「対話」の3類型は、「談話」や「説得・対論」よりも高レベルで相手の意識を慮ることが必要になってくるがゆえに、どもりやすくなる)などが非常に興味深かったです。言友会の定例会において、参加者が本来、対話や会話が求められているような場でも、ついつい談話や説得をしがちになる、ということへの裏付けがなされた気がしました。

 もうひとつ、私は人前で話をする際に、とっさに脳内で文章を構築し、これを言いやすい言葉に直したり、順序を入れ替えたりして話す癖がついてしまっている、という問題提起をしました。

 何人かの共感を得ることができ、さらに深化させて「脳内に浮かんだ文章や想定問答集を実際に書き言葉にすることは不可能であり、無意識下にある言語は、話し言葉として昇華させない限り日の目を見ることはない」といった話になり、無意識下でのプロセスが言語化されていく過程がとても面白く、やみつきになりそうだと感じました。

 担当の山田さん、ありがとうございました。学会での発表、がんばってください!

(40代男性・会員)